職業奉仕月間 (Vocational Service Month)によせて
2014年09月25日
地区職業奉仕部門長
前田眞実
RI第2720地区2014~2015年
地区職業奉仕部門長 前田 眞実
ロータリーの章典には高潔性と企業の社会的責任を重んじるロータリー組織の観点が説明されています。ロータリーは創設当初より、事業と専門職における高潔性を土台とする理念を築いてきました。これは1910年の第1回全米ロータリークラブ連合会年次大会(シカゴ)においてアーサーFシェルドンが唱えた「最もよく奉仕する者、最も多く報われる」He profits most who serves his fellows best (のちにhis fellow 削除)に端を発します。その後、1915年に職業倫理規定が採択され、決議23-34を経て1989年に職業宣言が規定審議会で採択されました。その後、2011年には行動規範として職業宣言が改められますが、中核的価値観のひとつに高潔性があり、それを職業奉仕と理解するなら次にあげる職業宣言は忘れてはならないと思います。
ロータリアンの職業宣言(Declaration of Rotarians in Businesses and Professions)
1989年規定審議会は次の職業宣言を採択した。事業または専門職務に携わるロータリアンとして、私は以下の要請に応えんとするものである。
1)職業は奉仕の一つの機会なりと心に銘せよ。
2)職業の倫理的規範、国の法律、地域社会の道徳規準に対し、名実ともに忠実であれ。
3)職業の品位を保ち、自ら選んだ職業において、最高度の倫理的規準を推進すべく全力を尽くせ。
4)雇主、従業員、同僚、同業者、顧客、公衆、その他事業または専門職務上、関係をもつすべての人々に対し、ひとしく公正なるべし。
5)社会に有用なすべての業務に対し、当然それに伴う名誉と敬意を表すべきことを知れ。
6)自己の職業上の手腕を捧げて、青少年に機会を開き、他人からの、格別の要請にも応え、地域社会の生活の質を高めよ。
7)広告に際し、また自己の事業または専門職務に関して、これを世に問うに当たっては、正直専一なるべし。
8)事業または専門職務上の関係において、普通には得られない便宜ないし特典を、同僚 ロータリアンに求めず、また与えうることなかれ
(89-148、ロータリー章典8.030.2.)。
世界的に職業倫理の欠如、あるいは低下を感じさせる事件やトラブルが数多く発生しているなかで、ロータリー・クラブおよび個々のロータリアンは、職業奉仕に献身し、すべての取引において高い倫理基準を守るよう尽力しなければなりません。それには職業宣言を遵守することが大切です。また、これらのことは、職業宣言以外にもロータリーの目的(綱領)、中核的価値観(奉仕、親睦、多様性、高潔性、リーダーシップ)、四つのテスト、にて要約されています。
次に、毎年10月は職業奉仕月間ですが、R I 理事会は、クラブも、職業奉仕の理想を日常実践するように強調するために、今月を特に職業奉仕に焦点をしぼったプログラムを行うよう奨励しています。
職業奉仕月間中、クラブに推奨する具体的活動には次のようなものがあります。
1)地区レベルの行事でロータリー・ボランティアを表彰すること。
2)ロータリー親睦活動への参加を推進すること。
3)職業奉仕活動またはプロジェクトを提唱すること。
4)空席の職業分類に会員を入会させる会員増強活動。
クラブの職業奉仕委員長は上記のことを意識し、前述の職業宣言とあわせて職業奉仕の歴史を起点に活発に議論されることを推奨します。そして、個人としての職業奉仕、クラブとしての職業奉仕、きちんと整理されて今後の活動に取り組むことが大切です。
以下に、去る平成26年9月6日(土)および9月13日(土)に開催された職業奉仕セミナーの報告資料を添付しますので、ご高覧いただければ幸いです。
今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。