国際ロータリー第2720地区 熊本・大分

ガバナーについて-メッセージ・プロフィール

地区スローガンと具体的な取組み

ガバナー 膳所 和彦

地区スローガン

「Rotary is a school, and also a playground
ロータリーは学び舎であり、遊び場である」

「Now, rotary action can change the world
そして今、ロータリーアクションは世界を変える」

地区方針重点項目
  1. ロータリーの原点回帰と未来変革
  2. 地区とクラブの関係をより密接な「エンゲージメント」とする
  3. 地区戦略計画の実践[若者と親しみ、ロータリーを繋ごう]
  4. ポリオ根絶運動のビッグキャンペーンを実施
  5. パートナーシップとの共同奉仕作業
  6. 地区の数字目標

2023年1月にアメリカ・フロリダ州・オーランドで開催された国際協議会において2023-24年度RI会長であるゴードンR・マッキナリー氏は「Create hope in the world(世界に希望を生み出そう)」と言う会長テーマを発表されました。マッキナリー会長はまずロータリーのビジョンに基づく行動が、これまで大きなインパクトをもたらして来たことを述べ、さらにそれを「継続」することが重要であると指摘しています。つまり「継続」とは以前のリーダーたちの良いアイデアをさらに前進させることであると述べています。継続すべきポイントとして、以下の5点を挙げています。①「ローターアクト」に力を与えると約束し、それを実行してきたこと、②メータ前会長そしてジョーンズ直前会長が積み重ねてきた「女児のエンパワーメント」プログラムを継続させ、世界の少女が強く成長できるよう支援すること、③「DEI」の取り組みを継続し、最高の人材、最高のアイデア、最高のパートナーシップを受け入れるオープンなロータリーにすること、④ロータリーの最優先事項である「ポリオ根絶」を追い続け、夢を実現するため、新たな緊張感をもって取り組むこと、⑤「ロータリー行動計画」を受け入れ、持続可能な変化を生むこと。これらを「継続」さらに「前進」させることで、ロータリーはさらに大きな賞賛を受けることになるのです。

次にマッキナリー会長は「今は歴史的なとき」であると指摘しています。一つはロシアのウクライナ侵攻によって、世界の平和が脅かされ、多くの人々が壊滅的な被害が受けていると言う事実です。そしてもう一つはコロナ禍の影響によって身近な人を失なったり、また社会的に分断・分裂されることで多くの人々が傷つき、メンタルヘルスの問題に直面していることです。ロータリーはこれまでも歴史の呼びかけに答えて来ました。そのようなロータリーの得意とするところを継続すると同時に、今の歴史的変化に対して、ロータリーはオープンで前向きに、粘り強く、果敢に、新たな取り組みを行う必要があるとして、「継続と革新の理想的なバランス」について言及しています。ここで「世界と自分自身の中に持続可能な変化を生む」と言うビジョン声明に焦点を当て、「平和の推進」そして「メンタルヘルスへの取り組み」を新たな課題としてクローズアップしました。

マッキナリー会長は「世界と自分自身の中に平和を築く」ための全てのロータリー活動の目標は、「希望を取り戻すこと」、「希望を生み出すこと」と気づいたと述べています。そして「平和とは希望が根づくための土壌である」とし、会長テーマとして「希望」に焦点を当てたのです。

マッキナリー会長はメタルヘルスを重視する利用を述べています。コロナウイルスによるパンデミック感染によって多くの身近な人が亡くなり、社会は分断されました。さらに悪いことに助けを求めること、特にメンタルヘルスの助けを求めることは弱さであると考えられています。助けを求める行動は決して非難されるべきものではなく、非常に勇気ある行動であり、幸せへの道を求めることはもっと勇気が必要なことです。
次年度の私たちの計画は、世界に平和をもたらし、紛争の影響を受けた人々を癒すこと、そして私自身の内面的な闘いと向き合うためにお互いと地域社会を支え、助けをもとめることに対する社会的偏見をなくすことです。「希望」こそが、世界に、地域社会に、そして自分自身の中に持続可能な良い変化をもたらす方法だと結論づけています。
「Create hope in the world(世界に希望を生み出そう)」

私の次年度地区テーマは「ロータリーは学び舎であり、また遊び場である」としておりました。私自身が感じているロータリーを非常にシンプルに表現することで、皆さんの記憶に残り、そしてロータリーの原点を再認識していただけることを期待し、あえてこのようなテーマとしました。しかしながら、国際協議会でのマッキナリー会長の講演を拝聴し、私は衝撃を受けたのです。ロータリーは行動しなければ価値がないことを痛感いたしました。まさに「世界を変える行動人」としてのスタートアップが必要であると確信したのです。そこで第2のテーマとして「そして今、ロータリーアクションは世界を変える」を追加しました。

マッキナリー会長は講演の冒頭で、「私達たちロータリーは、素晴らしく歴史的な年度の真っただ中にいます」と明言しました。今ロータリーは世界からの注目を集め、現在の期待をはるかに超えた可能性への道を示す機会がおとずれたのです。そのためには、これまでの業績を継続させ、さらに前進させることが必要です。実は2年前私がまだガバナーノミニーの時に作成したガバナー方針の第1項目には、「ロータリーのリセット」を掲げていました。紛争やコロナ感染拡大のため、世界の動きは停滞しています。ロータリー活動も例外ではありませんでした。多くのクラブで例会が休会やオンラインとなり、また地区での様々な研修会などもこれまでどおりには開催できませんでした。しかしながら、ロータリーは歩みを止めませんでした。そしてリセットすることで新たなステージを目指すべきであると私は考えました。マッキナリー会長の言葉も「ロータリーがさらに前進する」ことを力強く表現していると思います。ロータリーがこれまで取り組んできた経験と、これから持続可能な変化をもたらす力は、必ず世界を変えることになるのです。
私は以下の項目を地区の重点課題として掲げました。

  1. 1.ロータリーの原点回帰と未来変革

    ロータリーの目的は「職業上の高い倫理基準を保ち、職業を高潔なものとすることで、奉仕の理念を実践すること」です。さらに中核的価値観として、①奉仕、②親睦、③高潔性、④リーダーシップ、⑤多様性を重視することを提唱しています。これらはロータリーの普遍性を意味します。私たちはこのような高潔性と倫理観を失ってはなりません。一方私たちを取り巻く世界は大きく変化しています。IT化の急速な発展により、世界中どこでも、いつでも簡単にコミュニケーションが取れ、情報共有や情報交換を容易に行うことができます。また女性や若者の社会進出は目を見張るものがあり、社会情勢は大きく変貌してきているのです。ロータリーはこのような世の中の変化を受け入れ、2019年に新たに「ビジョン声明」を提言しました。持続可能な良い変化を生むために、私たちは手を取り合って行動しなければなりません。それを実現するための一つのツールが「DEI:Diversity(多様性)、Equity(公平さ)、Inclusion(インクルージョン)」の概念です。私たちは参加者の基盤を広げ、すべての人を受け入れることで目的を達成することを目指します。

  2. 2.地区とクラブの関係をより密接な「エンゲージメント」とする

    ロータリーは国際ロータリーを頂点とし、ゾーン、地区、クラブ、ロータリアンへとリンクするピラミッド型の組織です。しかし、残念ながらロータリーは完璧なワンチームとしては機能していないかもしれません。特に地区と各クラブ間には少なからずギャップがあると感じているのは私だけではないと思います。ロータリーは世界に誇るべき素晴らしい団体です。そのロータリーイズムをすべての会員に認識し、またロータリーの一員として行動することを自覚していただくことが、私の希望です。そのためには地区研修会に多くのロータリアンが参加し、地区委員会委員へ多くのクラブから多くの会員が選出されなければなりません。またクラブにおいても各委員長に入会歴の浅い会員を積極的に抜擢する必要があります。IMや出前セミナーを活用し、ロータリーについて勉強する機会を持つことです。このように地区とクラブがより密接なエンゲージメントな関係となることで、地区全体もインクルーシブな組織となれると確信しています。

  3. 3.地区戦略計画の実践:[若者と親しみ、ロータリーを繋ごう]

    2019年規定審議会でローターアクトは正式に国際ロータリーの一員となりました。つまりローターアクトは完全な独立した組織となったのです。私たちはローターアクトに力を得られるよう協力しなければなりません。つまりローターアクトクラブにも地区補助金やグローバル補助金が申請できるようにアシストする必要があります。さらに新たなローターアクトクラブ例えば大学生を主体とするクラブの設立を目指したいと思います。若者は将来のロータリーを築くための非常に貴重なリソースなのです。私たちはロータリーに関係するすべての若者に、ロータリーの素晴らしさを伝え、共に活動するチャンスを与えなければなりません。

  4. 4.ポリオ根絶運動のビッグキャンペーンを実施

    ご存じのように1985年からスタートしたポリオ根絶のための活動は、ロータリーの最重要テーマです。当時約40万人いたポリオ感染小児患者は、ロータリーとそのパートナーによって実施された「Polio Plus Now」運動により、現在99.9%減少しました。まさに「This close あと少し」です。私たちはポリオが完全にフリーとなるまでこの活動を継続してゆくことを決意しています。なぜならば、これは世界の子供たちと交わしたロータリーの約束だからです。

    このポリオ根絶運動をさらに活性化するためには、もっと社会にアピールしなければなりません。世界ポリオデー(10月24日)には世界中の、そして日本中のロータリーが立ち上がり、各地でキャンペーン活動を行っています。2720地区におきましても昨年10月23日に、熊本市そして地区内の各地域でポリオ根絶運動が行われました。今年度はさらに規模を拡大し、九州4地区合同での活動を計画しております。非常にインパクトのあるイベントとなることを切望しています。

  5. 5.パートナーシップとの共同奉仕活動

    今回の国際協議会で、ヒューコ事務総長はパートナーシップの重要性を述べています。他団体とコラボすることで、大きなインパクトを与えることができるのです。さらにパートナーシップとの関係性は会員増強、公共イメージアップ、ファンドレイジングに繋がることになります。地元のライオンズクラブ、ソロプチミスト、そして各奉仕団体や公営団体と一緒になって地区での奉仕活動を行うことは、ロータリークラブにとって非常に意義あるものであると確信しております。
    昨年より進められておりました台湾第3523地区との姉妹地区提携がいよいよ完結いたしました。大森パストガバナーそして堀川副ガバナーのご尽力により、このビッグチャレンジが現実化することになったのです。すでに同地区との交流は始まっておりますが、すでに両地区間でロータリークラブやローターアクトクラブとの姉妹締結も行われ、さらに関係性が深まっています。私たちは素晴らしいパートナーを得ることになったのです。

  6. 6.地区の数字目標達成

    最後に地区の具体的数字目標を明記します。

    • 会員総数:2,720人、女性会員数:30%、My Rotary登録率:70%
    • 年次基金:一人当たり150ドル、一人当たり:30ドル、ポールハリスソサイエティ:30人

以上、私のガバナー年度の地区スローガンとガバナー活動方針についてご紹介させていただきました。
現在国際ロータリーは時代の流れとともに大きく変わろうとしています。2017年に採択された「ロータリービジョン声明(私たちは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な変化を生むために、人々が手を取り合って行動する世界を目指しています。)」により、世界を変える行動人としての活動が推奨されています。一方ロータリーには不変なこともあります。「ロータリーの目的」、「中核的価値観」、「四つのテスト」これらはロータリーの本質であり、決して変わらないのです。私たちは「原点回帰」しながら、かつ「未来変革」を目指す必要があるのです。私はガバナーとして2720地区ロータリアンの皆様とともに、素晴らしいロータリーの原点と未来を体感したいと思っております。どうか1年間宜しくお願いいたします。

氏 名
膳所 和彦(ぜぜ かずひこ)
所属クラブ
日田ロータリークラブ
職業分類
心臓外科医
生年月日
1952年(昭和27年) 3月31日
最終学歴
九州大学医学部大学院
勤務先
医療法人恒心会 膳所医院
勤務先役職
理事長
公職
日田市医師会議長(前会長)
ロータリー歴
1999年9月
日田ロータリークラブ入会
2018-2019年
日田ロータリークラブ会長
2019-2021年
地区危機管理委員会委員
2020-2021年
地区インターアクト委員会委員長
2021-2022年
RI第2720地区 ガバナーノミニー
2022-2023年
RI第2720地区 ガバナーエレクト
その他
  • ポール・ハリス・ソサエティ
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