職業奉仕を考える 田中作次 元RI会長
2015年01月28日
改定職業奉仕を考える(前半の一部は主に2660地区資料参考)
2014年10月14日
元RI会長 田中作次
ロータリーの目的の一つは、日々の仕事を通して社会に貢献するために、奉仕の心を育て向上させることです。奉仕とは他人のために役立つこと、他人のニーズを充たすことを自己の責務として行なうことです。ロータリーの目的は、職業を通して社会のいろいろなニーズを満たすこと、ということであり、職業奉仕とは、職業を通して社会のニーズをほぼ完全な形で満たせるよう努力を重ねるということです。それによって、自己の職業の品位と道徳水準を高め、社会から尊重される存在になることができます。
ここで大事なことは、ロータリアンは日々の仕事を通して生きる力の根本である自らの道徳的能力を高め、それを社会に反映させることを責務と考えて努力しているということです。すなわち、ロータリアンは日常の職業活動を通して、自分の職場の従業員、取引先の人達やその関係者、ひいては地域社会の人達の模範となり、生きる力の根源である道徳的能力を向上させることに努めています。このような仕事の仕方をロータリーでは、職業奉仕と呼んでいます。私たちが真のロータリアンであるか否かは、私たち自身とその職場が社会の模範となるように努力することを自己の責務と考えているか否かにかかっています。
何時の時代でも、社会の人々の道徳的能力の向上が叫ばれます。道徳的能力の基本は、人間が他の人々や動植物を含む自然環境に対して、どのような態度を取るべきかを適切に判断する能力であると考えられます。そのような判断を下すには、人以外の動植物やものとのコミュニケーションが出来なければなりません。人以外の動植物やものは人間の言葉を話さないので、それらとのコミュニケーションは想像力に頼るしかありません。
また、社会人として真っ当に生きていくためには、過去に学び、未来を予測することが必要です。そのためには、既に亡くなった人やこれから生まれてくる人との想像力を駆使したコミュニケーションも要求されます。したがって、道徳的能力の根本は想像力です。想像力は人文、社会、自然科学を推進する原動力でもあります。想像力を駆使して試行錯誤を繰り返すことで、科学は、そして社会は進歩していくのです。想像力の成果の集積は新しいものの概念や職業の創造に繋ぐことができます。創造力は想像力の集積の結果として生まれてきます。
ロータリアンは日々の職業奉仕を通して、自身の、また、職場や地域社会の人達の生きる力の根源である想像力を高め、社会の進歩と平和に貢献しています。ここでもう一つ述べておきたいことがあります。それは、自分が他に対してとるべきと考える態度が適切か否かを判断する際に、想像力とともに、その適切性を判断する規準が必要であるということです。この規準はあくまでも個人的なもので、人により異なるものですが、ある程度の一般性を持つべきものでもあります。その例として、ロータリーの四つのテストは非常に良くできた規準の一つと考えられます。
ロータリアンは職場の外でも社会のニーズを充たすために、いろいろな活動をしています。これは社会奉仕であり、活動の場が国際的であれば国際奉仕でありますが、それが自分の職業の専門性を活かした奉仕であれば同時に職業奉仕の性格も備えていることになります。職場の外での奉仕には、お金や物や労力を提供する奉仕、職場で培った知識・技術を提供する知的奉仕などいろいろな奉仕があります。これらのうち知的奉仕は、それぞれの分野で最高の知識、技術を備えたロータリアンにとっては、最適の奉仕の一つです。
多くの地区やクラブが何年にも亘って行なってきた小学校、中学校への出前授業や職場体験学習はその一例です。中学校で道徳の授業をしたとき、話を聴いてくれた生徒の一人が「最初は聞くだけで頭がこんがらがるような難しい話かと思っていたが、聴いているうちに、いろいろな科目や物事でも道徳で繋がっているのだという新しい見方ができるようになった」と言ってくれました。本当に嬉しい子供の一言でした。
ここまでに述べたことを頭に入れて、以下の職業奉仕に関するロータリーの公式文書ロータリーの四大奉仕、すなわち、クラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕の考え方は、1927年ベルギーのオステンドで開かれた国際大会で決められたものです。このときに、それまでロータリークラブの基本理念として一般奉仕概念と呼ばれていたものに職業奉仕がありました。
職業とは:
われわれの社会では、人は日々なんらかの仕事をして、それによって報酬を得て生活の資としています。そうした仕事を職業という。毎日仕事をするといっても趣味や道楽でする仕事、主婦の行う家事や育児、ボランティア活動などは職業とはいいません。また、たとえ生計を維持するためであっても、盗みや、ばくちをするなどの反社会的な活動は職業ではありません。職業は、生計を維持するための継続的で分担的な、社会的に有用な活動と定義されます。
職業奉仕とは:
職業奉仕は、事業および専門職務の道徳的水準を高め、品位ある業務はすべて尊重されるべきであるという認識を深め、あらゆる職業に携わる中で奉仕の理念を実践していくという目的を持つものです。会員は、ロータリーの理念に従って自分自身を律し、事業を行います。
職業奉仕は、ロータリアンがそれぞれの職業を通じて他の人々に奉仕し、 高い道徳的水準を保つことを奨励するという考え方です。この職業すなわちvocationという語はbusiness、job、occupationやprofessionという語に比べて、神から授けられた仕事(天職)、社会生活における分業の担い手、職分、人に必要とされる職業というようなニュアンスが強い言葉です。このことを考え合わせていただければ、職業奉仕の理念がよりよく理解できると思います。
皆様がすでに十分ご存じの通り、四つのテスト作成者、RI 元会長ハーバート テイラー氏は、これを自社のための指針として創案した当時、「私たちは、第一に、従業員の雇用にあたって十分な注意を払い、第二に、彼らが自分の会社で順調に働いてゆくに従い、より優れた人間となるよう援助することを決めた」と語りました。テイラー元RI会長は、ロータリアンは、倫理感をもって思いやりの心で他の人々に奉仕するよう尽力することを強調しました。
それでは職業(仕事)の目的とは何かをもう一度考えてみましょう:
- 出来れば自分の得意な分野の仕事を通じて社会に貢献する。効率、知識、自信
- 仕事によって自分の夢を実現しやりがいを感じる。他者のために尽くす
- 新商品の開発と提供によって生活者に更なる満足を提供する。創造性を磨く
- 社会における潜在的なニーズを顕在化させる。将来は無限の可能性を持つ
- 従業員など他者のために働く場を提供する。労働市場を作る
- より豊かな生活環境を創造する。人の幸せを創造
- 仕事を通じて健康と夢の実現に繋がる。自身の健康と未来に感謝を
- 商品付加価値を高める情熱と努力を惜しまない。少しの変化で大きな成果が
- 生産や流通の近代化を促進し豊かな社会の構築を。いかに無駄が多いか検討
- 人のお役にたちそして喜んでもらいたいと皆思っている。他者のために生きる
- 仕事をしなくても経済的に困らない人でも健康と夢を持って仕事をします。社会 のために生きる
- 一人では生きていけず大勢の方々や自然の恵みによって可能である事に感謝
- 人間社会は助け合い運動です。自分の出来る範囲で積極的に奉仕したい。
- 仕事の効率化は毎年毎年世界中で大きな進歩を見せています。再見直し
- 経済的自立と自分の成長そして生きていくための収入を得ること。両立可
- 円滑な人間関係を築き、困難を克服する精神力を養う。コミニュケーション
- 仕事は困難なことを解決してくれるヒントや忍耐力を与えてくれます。養成
- 仕事は時間の有効活用がいかに重要な鍵であるかを教えてくれます。方法
- 効率化を進める意欲を与えます。やる気次第で可能
- 働く人々にやる気と夢を与えます。前進を目指せばさらに効果
- 常に平常心が持てるようになります。バランス感覚が持てるようになる
- ロータリーが行う小中学校への仕事出前講座は好評です。彼らに知識を与える
- 地域社会に向けて仕事のよろず相談を行っているクラブもあります。「実社会の厳しさ、楽しさ、やりがい等」が聞けます。悩んでいる人たちは多い。
- 3-5日間程度の職場体験学習もあります(高校生が事業所で体験)。効果大
- 高い倫理観をもって職業活動を行なう。職業の基本事項です
- 社会のニーズを満たしていく一つの方法が職業人の重要な任務です。社会の為
- 奉仕という意味は他者や社会の為に役立つという意味です。有料無料共に共通
- 有用な情報を捕まえ、活用する度合いは本人の関心度と行動そして決断次第
です。あることに関心度の高い人にはそれに関する多くの情報が飛び込んできます。 - 企業発展のチャンスは無限です。本人の目標や関心度の高さ次第です。
- 自分の夢をかなえるために仕事があります。 夢は99%かなえられる
- 私の人生の例 一番思考の実現 誰でもやればできる 挑戦 高い目標を設定
- 企業の発展は潜在能力の活用と実行力次第です。その為に夢や高い目標が要
- 職業は変化対応業です。常に環境は変化しているのでチャンスはいつもある
- 仕事を通じて世界の人々との繋がりができる。世界平和 互いに多様性を理解