被災地でのボランティア活動と「ひまわり亭」さんへの義援金贈呈(熊本西RC)
2021年01月12日
熊本西RC
上野 功一朗
令和2年7月の豪雨は、人吉・球磨地方をはじめとする各地に甚大な被害をもたらしました。テレビや新聞などで被災地の惨状が報道されると、全国各地から心配の声をお寄せいただき、姉妹クラブである福井西RC様からは義援金をお贈りいただきました。熊本西RCとしても何らかの支援活動をと考えていた時でもあり、その使途についてクラブ内で検討を重ねました。そして被災者へ直接届く支援として有効に活用されることを念頭に置き、9月26日に視察を兼ねたボランティアに参加することにしました。
災害直後から被災地でのボランティア活動を続けておられる九州動物学院(理事長・德田竜之介熊本西RC幹事、教頭・髙木弘和熊本西RC会員)さんに同行させていただきました。お手伝いをさせていただいたのは、被災者への食事支援を続けておられる「ひまわり亭」(人吉市矢黒町)さん。球磨川の左岸、人吉橋のたもとに建つ同店も、今回の災害では大変な被害に遭われています。オーナーの本田節さんは人吉RCの会員。元人吉市議会議員でもある本田さんは、人吉地域の状況を細かく把握し、まさに「痒いところに手が届く」支援を続けておられました。
ボランティアの当日、現地に到着すると駐車場にはRCのロゴがプリントされたキッチンカーが止まっていました。平成28年熊本地震の際に誕生したとのことで、今回の災害でも大活躍したそうです。災害直後から被災者の皆さんへ暖かい食事を届ける活動を始められています。(キッチンカーについての詳細は「ロータリーの友」10月号に掲載)。
建物の中から本田さんの元気な声が聞こえてきました。みんなが揃ったところでご挨拶をし、現在の活動状況や被災地の様子について説明を受けました。人吉インターチェンジを下りて「ひまわり亭」さんへは、市内の中心部を通ります。その道すがら見た街の様子は、一見するとかなり復旧が進んでいるかのような印象を受けました。しかし、本田さんの説明は全く異なるものでした。目に付く災害ごみの撤去がある程度終えていることから、街並みは以前の姿を取り戻したかに見えますが、中心地を少し離れると被災家屋がそのまま残っていて、被災者の生活再建という意味では、遅々として進んでいないというのが実情のようでした。
この日の「ひまわり亭」さんでのボランティアには30名ほどが参加。食事支援、支援物資の仕分け、被災家屋の清掃の3グループに分かれて活動していました。私たちの担当は、被災された方々へ提供するお弁当づくりとその配達。日頃あまり手にすることのない包丁を握りしめ、ゴボウや南瓜、玉ねぎなどと格闘すること一時間余り。ちょっとだけ料理の楽しさを感じながら、無事にお弁当約150人分の準備を終え、被災地域や災害住宅へ向かいました。
本田さんは災害後すぐに食事支援を開始し、今なお支援活動を続けておられます。ご自身も被災者。大変な状況であるにもかかわらず、本田さんの口から出てくるのは、これまでの出会いが元となって全国各地から支援が寄せられていることに対する感謝の言葉でした。生まれ育った地域に対する愛着と人々との縁をエネルギー源に、本田さんは支援活動ができることを喜び、楽しんでおられるようでした。
ボランティア参加後の11月29日、福井西RC、熊本西RCより「ひまわり亭」さんへ義援金を贈呈いたしました。本田さんからは「大切に使わせていただきます。ありがとうございました」との感謝の言葉をいただきました。きっと有効な支援活動につなげていただけるものと確信しています。被災した方が新たな一歩を踏み出すために少しでも役立つことを祈念しております。
最後になりましたが、今回の豪雨災害によって犠牲となられた方に対し、謹んで心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。