匠表彰報告(杵築RC)
2021年06月03日
杵築RC
奉仕プロジェクト委員長 東照寺 忍
2020~2021年度匠表彰報告 稲吉 喜久男氏(左官業) 「鏝絵」
杵築ロータリークラブでは、毎年、市内在住で長年にわたり伝統の技と卓越した技術の持ち主に、独自で「匠」と認定し表彰しています。
今回は、「鏝絵」を通し杵築市の伝統文化を継承している南杵築在住、左官業の稲吉喜久男氏を「匠」として認定し表彰いたしました。
表彰式は令和3年6月1日、杵築市文化体育館施設内にて、新型コロナ感染対策のため、髙橋健会長、衞藤和彦幹事、私、奉仕プロジェクト委員長の3名で執り行いました。本来なら会員全員で見守り、祝福したいところでしたが、後日、この内容をクラブ内の会員や地区内外、地域にSNSで発信し、多くの方に知っていただきたいと考えております。
式では、髙橋会長から表彰状と記念品が贈呈され、ご本人からお話をお聞きする中で「いろんな資格はいただいたが、表彰をされるのは初めてだ」と、笑顔で話され、大変喜んでいただきました。
稲吉 喜久男氏は、昭和15年生まれの81歳でこの道60年の技術者です。ご本人に色々と質問し教えていただきました。(順不同)
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年齢
昭和15年8月生まれの81歳
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何年くらい左官業していますか
60年で鏝絵は20年
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鏝絵は何枚くらい作成いたしましたか
30枚程度
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制作日数は
大小あるが1か月くらいかかる
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注文したら何時くらいで手元に届く
1年後
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製作費は
大小あるが20万円~60万円
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設置場所は
県内あちこちにあるが県外はないので、注文があれば県外にも伺う
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鏝絵をやるようになった動機は
若いころから絵を描くのが好きで描いていたらその絵を平面から立面にしたくなった
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今後の抱負は
近代的な住居が多くなり、鏝絵を必要とする建物が少なくなってきているので、せめて家紋でも各家が必要としてくれればありがたいし、引き継いでくれる弟子ができるとありがたい
お話をお聞きしていると、鏝絵を作る職人さんは 絵画のうまい人でなくてはだめだな~と思うとともに、根気のいる仕事、日中は左官の仕事、夜は鏝絵と夜中2時・3時までは制作するとのことで私には到底無理と思いました。
最後に、酒をたくさん呑む人は鏝絵の職人には適さないとのこと
なんで?・・・手が振るうようになったら絵が描けないし,しっくいで立面化するのに鏝が使えない(笑い)
最後に鏝絵のしっくい材料は海草で作るそうです。
以上、報告とさせてもらいます。杵築ロータリークラブでは、今後もこの「匠表彰」を続けていきたいと考えております。