グローバル補助金 留学レポート 林 陽香 (12月)
2021年01月06日
グローバル補助金奨学生
林 陽香
12月レポート
ベルギーでは今年の冬は比較的暖かいと言われているものの、年末ともなると寒さも厳しくなってまいりました。引き続き緩い規則のもとですが、クリスマスと正月に伴うホリデーシーズンの到来で、街は静かながらも暖かい雰囲気に包まれています。
1学期を振り返って
クリスマスを前に私のプログラムは全ての授業を終えました。今学期最も辛かっ たResearch Proposalの授業も最終プレゼンを無事に終え、評価を待つのみとなりました。宿題やレポートなどは全て終えた状態でクリスマスを迎えることができ、残るは年明けに始まる試験の勉強のみです。なぜホリデーシーズン直後に試験を開始するのかは疑問ですが、この国の大学生は皆、クリスマスと正月は試験勉強に捧げるようでもちろん私も例外ではありません。年末年始は大学が完全に閉まるため、 毎日近くの市営図書館に来て勉強しています。このBist図書館と隣接する建物はとても歴史ある美しい建物ですので写真を掲載します。
さて、今学期学んだことの多くは疫学者としての基礎知識でした。私にとって学問とは「直感で感じることを感覚的に惑わされず、科学や理論に基づきその真理を確かめる事」です。疫学はその最たるものであると授業を終えた今感じています。 コロナ禍の現在、世には様々な尺度を用いた現状を表す数字や、それに基づく憶測 が飛び交っています。情報の入手が簡単になった現代に、そういった現状を捉える能力やスキルが追いついていないのかもしれません。2020年は、正確な情報が出る前に世界中で人々が多くの憶測に晒され、たくさんの混乱を生み出す結果となりました。このような年に疫学を学び始めることができたことに運命すら感じています。
ホリデーシーズンについて
疫学修士コースの多くの学生は同じ寮に住んでいますが、私はその寮に入ることができないために別のアパートに住んで居ます。オンライン授業移行後に私以外の留学生が到着したことも相まって、彼らとはほぼ関わりがないままに終わってしまったのが今学期の残念かつ最も辛かった点です。代わりにベルギー人の友人は何人かでき、その中の一人が実家のクリスマスディナーに招待してくれました。お礼に私はお好み焼きと春巻きという、クリスマスには関係ないですが日本料理を持っていき、大好評でした。これがなければ一人で過ごす羽目になっていたので友人には本当に感謝しています。
地元クラブとの交流
今月 Wilrjik のロータリークラブではオンラインでのクリスマスチャリティーオークションが開催され、私も参加させていただきました。基本オランダ語ですが、皆さん度々英語に翻訳してくださり、私も楽しむことができました。さらにクリスマスプレゼントを会長の Mr. Meulemansさんが家まで届けてくださいました。Ritualsというヨーロッパの有名のブランドですが、日本をコンセプトに取り入れたとてもユニークなものです。私はそのうちの仏陀という香りをいただきました。メッセージカードには来年への希望が書かれておりました。いつも気にかけていただいており、大変感謝しております。来月の上旬に久しぶりのイベントが開催される見込みです。試験準備の進捗によりますが、ぜひ参加させていただきたいです。
最後に、2020年度は皆様にとって大きな変化の年であったと思います。その中で私がこうして留学できている事は本当に運が良く、ロータリークラブ様のサポートなしには実現できないことでした。大変感謝しております。私にとっての 2020年は忍耐力の一年となりました。大学院の合否結果も、渡航できるかどうかも、留学開始後の異国でのロックダウンも、全ての大事な結果が全く先の見えない状況にありながらも、どうにか進んでいかねばならない試練の連続でした。想像通りの夢見た順調な留学生活かといえばそうではなかったのも事実です。しかし学びたいことを学べているということは大変幸せなことであり、少しずつではありますが、心の余裕が見えてきたように感じます。皆様にとっても 2021年が少しでもより希望の多い年になることを心よりお祈り申し上げます。