グローバル補助金奨学生中間報告 木村 真琴(第1回)
2021年10月21日
2021 ~ 2022年度 グローバル補助金 奨学生
木村 真琴
第1回 中間報告書
1. 基本情報
カウンセラー(派遣側) | 林 明 様 ロータリー財団副部門長(熊本江南RC) |
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カウンセラー(受入側) | Rajiv Sabharwal(R.C of LONDON) |
教育機関 | University College London |
専攻分野 | 平和構築と紛争予防 |
2. 学業面での成果、状況、予定等
左: UCLメインキャンパス 右: UCL Faculty of Lawメインビルディング
2-1 授業の様子
在、通年授業の(1)Law & Policy of International Courts and Tribunals (2)Alternative Dispute Resolutionsと、半期で行われる(3)Use of Force in International Law(Term1のみ)を履修している((4)International Humanitarian LawはTerm2に開講される)。(1)(2)が法的紛争解決の主軸であり、(3)(4)が国際法の授業である。
- ロシアとウクライナ間の紛争を題材に、世界各国の裁判所にどのようなケースが提起され、どのような主張がなされたかマッピングをしたり、法的紛争解決手段の一つである、外交的解決方法(Diplomatic Means of Dispute Settlement)の仕組みを学習したりしている。今後も交渉(Negotiation)、斡旋(Mediation)、仲裁(Arbitration)などの仕組みを学習し、現実のケースに当てはめ、国際紛争を解決するにあたってどの仕組みを活用していくかということを議論していく。
- 上記と似ているが、Litigation(訴訟)とAlternative Dispute Resolution(裁判外法的紛争解決)の関係を根本的に見直しながら、法律家として、そもそもなぜ紛争が起きるのかを深堀する必要があるという学習をしている。
- 世界各国がいつ、どのような時に、どのような理由において、武力行使ができるのかということを国際法に則って学習している。国際法の法源には、条約と慣習があるが、その2者間のズレによる解釈の違い、また、現実の武力行使と国際法のズレについて議論している。
2-2 模擬裁判
William C. Vis International Commercial Arbitration MootのUCL代表に選出された。International Arbitration(国際仲裁)とは、法的紛争解決手段の一つであり、近年でも多く活用されている。商事事案にはなるものの、法律家としての弁論力が鍛えられると考えている。大会は4月のためこれから準備に励む。
3. 受入ロータリーとの交流
10月15日〜17日に、英国のイーストボーン(Eastnbourne)という海沿いの小さな町で、ロータリーロンドンの地区大会が開催され、奨学生として参加した。ロンドンロータリークラブのRajivさんは欠席だったが、同クラブの日本人チカコさんという方がお世話をしてくださった。3日間とも、ロータリーの活動報告を受け、ホームレス、イーストボーンの海岸清掃活動、ハンセン病支援、マングローブ樹林など非常に興味深い話を聞くことができた。特に、マングローブ樹林については、徒歩5000歩が、1本のマングローブとして還元され、マダガスカルに植えられるということで、早速ダウンロードしている。また、夜は、同クラブがホストする奨学生の3人(私含め)とご飯を食べ、クラブの方々とも仲を深めることができた。ロンドンクラブは幸運なことに古い歴史を誇る大きなクラブで、たくさんのイベントに今度も招待していただけるようである。
左: Home for Homelessの活動報告 右:イーストボーンの街並み
4. その他(留学先での出来事等)
UCL LLMの同期に積極的に声をかけ、友人の輪を広げている。すでに法実務家である方々や、そうでない方々もいらっしゃり、夜ご飯に出かけても、少なくとも一回は法律の話になるという、刺激のある環境だと実感している。一緒に図書館に行って勉強したり、昼ごはんを食べたり、公園に出かけたりと、息抜きもしながら学習に励んでいる。