グローバル補助金 留学レポート 林 陽香 (5月)
2022年06月30日
グローバル補助金奨学生
林 陽香
5月レポート
前回のレポートから大変日が経ってしまい、皆様にはご心配をおかけしております。1 月より体調を崩してベルギーの病院にて入院し療養しておりました。生まれて初めての入院がまさか海外の、それも留学中になるなど当初は予想もできなかったことですが、これも経験ということで必要なことだったかなと思います。病院からの許可もあり、試験だけは病院から通う形で受けることができたために、一学期の試験科目は全て合格することができました。
やはりベルギーの医療やサポートは世界でもトップレベルであるなという患者としての実感があり、ぜひ後程プレゼンの時にでもお話しできたらと思います。
無事に 5 月より大学に戻り本格的に戻り、少しずつ元の生活に戻ることができているかと思います。家も引っ越しし、(実は二日目で在宅中に強盗に入られてしまったのですが)環境も新しくなり、治療も続けられているために体調も非常に安定しております。色々まさかのことが起きながらも、人生ってそんなもんだと開き直る余裕ができたのは、留学で得た一番のスキルかもしれません。
熱帯病研究所
修士論文のテーマであるエチオピア農村部におけるリーシュマニア症のコミュニティアプローチによる治療の有効性については、無事に 3 月目まで現地で経過観察のデータを集めることができているため、順調に進んでおります。昨年の紛争により懸念されていた治安の悪化も現在はそれほどなく、落ち着いているようで、とりわけ農村部では問題なく研究が続行できる模様です。
現在は熱帯病研究所(Institute of Tropical Medicine in Antwerpen)にて毎日データ解析をしています。実際の研究、特に有効性に関するものは、ハプニングも多く思い通りのデータが得られないことばかりです。8 月にコロンビアで開かれるリーシュマニア症学会にて私のデータも発表されるので、それまでにまとまった成果を示せるよう努めてまいりたいと思います。
Hassel 大学のワークショップにて
ロータリー現地クラブの皆様にはとても素敵な教会でのコンサートに招待していただきました。日本の神社や寺と比べてはいけないのかもしれませんが、教会でラテン音楽のコンサートとは、とても驚きました。他ヨーロッパの国の友人に聞くと、南の方ではあり得ないと聞くのでこれはベルギー特有かもしれません。
教会でのコンサート
完全にアフターコロナの生活となったベルギーですが、サル痘の報告もちらちらと聞きます。ベルギーでは感染した場合も自主隔離ですし、感染力もコロナほどは強くないようなので、規制はこれと言ってありません。やっと本当に普通の留学生活ができると思ったらもう終わってしまうのが少し寂しいですが、何事も貴重な経験でありますし、今後疫学の研究者としてとても役に立つものだったとも思います。
残りわずかですが引き続き留学生活を謳歌していきますので、見守っていただけると幸いです。