2018年03月22日

2017-2018 年度グローバル補助金奨学生
山崎 智美

 

第２回中間報告
（2017年12月18日～2018年3月17日）

1. 基本情報

 

2. 学業面での成果

12月3日（日）〜1月7日（日）の冬休みは、朝から夜まで図書館に籠もり、秋学期に受講した3つの科目の課題に取り組みました。非国家間紛争における国際人道法の役割についての論文、ケニアでの第二世代の都市型ソマリア難民を対象としたフィールド調査の計画書、コソボフィールドトリップの報告書といった異なる種類のライティング課題に取り組む中で、学期中に学んだ内容を整理したり、自身が興味を持った問題についてより深めたりすることができました。1月8日（月）〜3月9日（金）の春学期では、以下の3つの科目を受講し、秋学期の内容を活かしながら、より応用的で実践的な知識やスキルについて学びました。

 

2.1. 戦後復興の理論と実践（Theory ＆ Practice of Post War Recovery）

この科目では、武力紛争後の国家の復興・開発に国際社会がどのように取り組んでいるかについて学びました。科目の大テーマは、一連の戦後復興と開発事業の総称である「平和構築」で、毎週の授業では、国造り、移行政府、セキュリティー、移行期正義、和解、経済などといった小テーマについて詳しく学んでいきました。平和構築については学部時代に一通り学んでいたのですが、自由主義平和構築やハイブリッド平和構築など、その種類は多様で、特に2001年の9.11以降は、脆弱国家の問題が国際社会の平和と安全を脅かすという考え方の普及から、国際社会の途上国への介入が量・質ともに拡大しているという印象を受けました。

 

2.2. 事業の立案と運営（Programme Planning and Management）

この科目では、武力紛争後の復興や開発に関する事業をどのように立案・運営・評価するかについて学びました。社会・国際問題に取り組む国際機関やNGOは、民間企業のように自ら利益を生み出す仕組みを持ちません。このため、事業の提案書を作成し、それを承認してくれたドナーからの補助金によって活動を実施しています。授業では、提案書の書き方だけでなく、短期的な目標の下で行われる緊急支援事業と長期的な目標を掲げる開発事業の兼ね合いや、現地のニーズとドナーの意向が食い違った際に生じるジレンマへの対応など、事業の立案・運営・評価の過程で生じる課題について具体的に学ぶことができました。

 

2.3. アフリカと国際政治（Africa and International Politics）

唯一の選択科目であるこの授業では、国際政治におけるアフリカの役割について学びました。国際関係論の二大学派であるリアリズムやリベラリズムはアフリカの現状を説明しきれていない、むしろアフリカを除外している等、いわゆるアフリカニストの主張に焦点を当てることで、民主主義国家や資本主義経済など、一般的に正当だと考えられているシステムの汎用性について批判的に再考察することができました。植民地支配の歴史や民族の多様性など、アフリカ諸国は日本にない要素を多く持っているため、今後も折に触れて学んでいきたいと思います。

 

3. 受入ロータリーとの交流

2月1日（木）の夜には、Rotary Club of Pocklington & Market Weighton の方々と Pantomime と呼ばれるイギリス発祥の喜劇を観に行きました。Pantmime は今回訪れたヨークシアターをはじめ、各都市の劇場で、毎年クリスマスからお正月にかけての期間限定で上映されるそうです。華やかなコスチュームやパフォーマンス、アドリブも織り交ぜたジョークで、日々の勉強による疲労やストレスも吹き飛びました。2月10日（土）には、Rotary Club of York 主催の Kaminari Drumming event（http://www.yorkrotary.co.uk/kaminari-drumming-show/4594103118）に参加しました。和太鼓や琴、三味線などの和楽器の音色に癒されるとともに、休憩時間には Pocklington & Market Weighton および York のロータリアンの方々との交流により、楽しい時間を過ごすことができました。

 

4. 留学の様子（写真）

ハウスメートとのクリスマスパーティー

 

ヨーク市内のクリスマスマーケット

 

コースメートとの新年会

 

雪の日のキャンパス

 

Kaminari Drumming event（１）　

 

Kaminari Drumming event（２）