国際ロータリー第2720地区 熊本・大分

ロータリー財団奨学生中間報告 松本 冴未(2018年4月1日)

2018年04月06日

2017-2018 年度グローバル補助金奨学生
松本 冴未

 

2018年4月1日
ケンブリッジ大学MBA月間レポート 5

先月に2学期目を終え、早くもすでにMBA生活の半分以上が過ぎました。今回のレポートでは、ベンチャークリエーションウィークエンドという課外活動と、トルコで現在実施中のグローバルコンサルティングプロジェクトについてまとめます。

 

ベンチャークリエーションウィークエンド

先週末にケンブリッジ大学主催のビジネスコンテストへ参加してきました。食物の安全をテーマに、アイディアを提案し、当日集まった全く知らない人とチームを組んでビジネスモデルを作り、メンターにダメ出しを何度も受けた対し、後に改善を繰り返します。3日間という限られた時間内で朝から夜までともに働き、最終的にビジネスアイデアを形にして、審査員の前で提案するというイベントです。私たちのチーム(7人)は、西アフリカのココア農家の収入を改善することを目的としたビジネスを提案しました。既存の深刻な問題として、アフリカの農産物がEUへ輸入される際に、その50%が農薬(特に殺虫剤)の過剰使用により規制対象となりそのまま捨てられているという問題があります。この農薬の使用量がEUの規制値よりもはるかに高いことが多く、品質の保証が事前にできないことを理由に仲介人が農家や組合へ支払う価格が低く、農家はいまだに貧困下での生活を余儀なくされています。この問題を解決するための1つの方法として、PH紙を利用した安価な検査キットを売り出すビジネスアイディアを練りました。PH紙を使って仲介人に農薬レベルを事前に示すことで、取引価格を引き上げることを目的とします。このアイディアにたどり着くまで、紆余曲折や方向性の不一致などによるチーム解散の危機を経験しましたが、最終的にコンテストで優勝することができました。他にも13のチームが参加していましたが、私達の勝因は、1)解決すべき問題点が明確かつ妥当であったこと(=誰もが必要性を感じる問題であったこと)、2)現実的かつスケーラブルな改善方法を提案出来たことでした。さらに、チームに化学博士課程の専門家がいてくれたことも説得力のある提案ができた要素の1つでした。ベンチャー立ち上げを模した非常に学びの多い経験ができました。

ロータリー財団奨学生中間報告 松本 冴未(2018年4月1日)

ベンチャークリエーションウィークエンド表彰式にて

 

グローバルコンサルティングプロジェクト

3月19日より21日間の海外プロジェクトが始まりました。以前から熊本江南クラブの皆様にお話していた国連開発計画(UNDP)のイスタンブルオフィスにてインクルーシブビジネスとよばれる領域のコンサルティングを行っています。インクルーシブビジネスとは、企業が貧困層グループをビジネスのバリューチェーンに取り込むことで、企業利益にも貧困層の生活レベルの改善へも貢献する企業活動を意味します。私たちのミッションは、このモデルの更なる普及と関係者への啓蒙を促すレポートを書くことです。リサーチやインタビューをもとに分析をし、文章にまとめるのですが、利用価値のある内容を導き出す作業は非常に大変です。また、今回自身のスキルを磨くため、プロジェクト管理者(プロジェクトマネジャー)の役割をいただいたのですが、私にとってこれは大きなチャレンジです。幸いにも、チーム5名とも異なる専門分野の出身でそれぞれ非常に優秀メンバーなのですが、それゆえ、いわゆる「できる人たち」を率いるのは簡単でなく、リーダーとしての失敗⇒反省⇒改善⇒再トライを毎日繰り返しています。この過程は非常に学びが多いです。また、最優先事項はクライアントに満足してもらう結果を出すことなので、この目標に向かいチームの絆を深めながら仕事を進めています。残り2週間で成果物を3つ出さなければならないため、ここからが非常に集中力を要します。

ロータリー財団奨学生中間報告 松本 冴未(2018年4月1日)

UNDPの皆さんと

 

ロータリー財団奨学生中間報告 松本 冴未(2018年4月1日)

UNDP勤務初日、チームメンバーとの写真

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