国際ロータリー第2720地区 熊本・大分

地区補助金奨学生中間報告 高橋 春菜(第4回)

2020年04月10日

2019 ~ 2020年度 地区補助金(DG)奨学生
高橋 春菜

 

第4回 中間報告 (2019年12月1日 ~ 2019年12月31日)

1. 基本情報

カウンセラー(派遣側) 林明様(熊本江南ロータリークラブ)
教育機関 カリフォルニア大学バークレー校
専攻分野 ロースクール

 

2. 報告

(1)研究活動

視覚障害者の支援団体Light House for the Blind and Visually Impairedを訪問しました。例えば、中途失明者にとっては盲目での暮らしは全く新しい体験です。歩き方、包丁の使い方一つとっても、新しいやり方を身につけなければなりません。そういったニーズのために、生活訓練、就労に向けたトレーニング、支援テクノロジー操作のトレーニングを無料で提供しています。
サンフランシスコの中心街、駅の目の前という最高の立地にビルを所有しており、宿泊トレーニング用の施設も備えています。

地区補助金奨学生中間報告 高橋 春菜(第4回)

 

(公式ウェブサイトhttps://lighthouse-sf.org/about/より)

 

ショップでは生活支援ツールが販売されています。工夫された数々の道具を見ていると、こんな些細な点に不自由を感じていたのか、と気づかされます。

地区補助金奨学生中間報告 高橋 春菜(第4回)

(点字が浮かび上がる腕時計)

 

ところでアメリカでは「コミュニティ」という言葉をよく耳にしますが、日本での用法と微妙に異なります。地域ごとに法制度や暮らしの質が大きく異なるため、「コミュニティ」は非常に実質的な意味を持つようなのです。例えば、学校の質、地域住民の収入、地価の3つは連動すると言われます。公立学校の財源がその学区の税収で賄われるため、貧しい地域では十分な教師等を確保できない一方、裕福な地域では教育の質は高く、そのため裕福な人間を引きつけ、ますます地価が上がります。福祉の領域でも、地域にLight Houseのような良質なサービスを提供する社会資源があるか否かによって暮らしのクオリティが左右されます。多くのNPOが、地域住民の暮らしを現実的に向上させる担い手となるという意味を込めて、「コミュニティへの貢献」を目標に掲げています。私的団体の存在感の大きさには常々驚かされます。

 

(2)その他

バークレーやシリコンバレーを含むベイエリア一帯は世界一起業の盛んな地域です。時価総額世界トップ5に入るGAFA(Google、Amazon.com、Facebook、Apple Inc.の総称)をはじめ、テック企業が日々生まれています(テクノロジーを略して「テック」と言います)。UCバークレーのロースクールでも起業法務やリーガルテックの授業・ランチトークが日々開かれており、シリコンバレーの熱量を感じます。
プログラミングの授業も受けてみました。初心者向けに分かりやすく説明してくれます。この日のテーマはRを使ったデータのグラフ化。文理など関係なく役に立つスキルです。

地区補助金奨学生中間報告 高橋 春菜(第4回)

 

日本からもたくさんの若者が起業を目指してベイエリアにやって来ており、スタートアップ交流会が開かれています。多彩な参加者には「型に嵌まらなさ」、既存の組織に属し、それを通じて活動するのではなく、もっと自律的に自分のテーマに取り組みたいという独立心のようなものを感じ、大いに刺激されます。

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